“人類初の感染症”天然痘は「人とともに旅をし、人に滅ぼされた」【室橋裕和の「旅と感染症」】(MONEY PLUS)

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人類初の感染症とも考えられているのが「天然痘」です。コロナと同様、飛沫感染や接触感染によってウイルスが広がる病気で、感染すると全身のほか内臓にも発疹が現れ、呼吸困難や高熱を引き起こし、死に至ります。20世紀だけでも3億人が命を落とした病です。 どうして天然痘が生まれたのか。それは人類の定住化が原因であるともいわれています。安定した食料生産ができるようになってから人は「我が家」をつくって定住をはじめたのですが、その食料をもたらしたのは「農耕」と、そして「牧畜」でした。 動物を飼いならし、生活のパートナーとする。それは人類史の中でもエポックメイキング的な出来事、大きな発明でしたが、同時に動物の病気が人間にもうつるようになります。およそ2~4万年前に犬を家畜化して以来、人類はさまざまな動物を手なずけてきましたが、天然痘のルーツになったのは、インドの牛であるとも中近東のラクダであるともいわれます。こうして人間と動物の生活圏が重なりあうようになりました。 やがて家畜から人間の体内にウイルスが入り込み、変異を起こして、ヒト-ヒト感染を起こす危険な病気になったと考えられています。その代表が天然痘です。 当初は天然痘も、小さな集落内でときおり流行する程度のものだったようです。しかし、やがてそんな村同士の間を行き来する「旅」がはじまります。交易でした。「我が家」を離れて、互いの物産と情報、そしてマネーを持ち寄り、交換していく行為の中で、天然痘ウイルスもまた広がっていったのです。

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(2020/06/25)