石臼でも預かる庶民の味方…タイに根付く「質屋文化」――新型コロナ危機のセーフティーネットにも(FNNプライムオンライン)

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「失業して本当に困っている人が多くなり、質預かりをお願いされることが多くなりました。公務員、国営企業、会社員、経営者(などもいるし)、本当にお金がない人も(来る)。我々は助けないといけません」 国営の質屋に32年間、勤めているマネジャーのユタカン氏は、新型コロナウイルスによる経済危機で、資金繰りに苦しむ多くの市民が、質屋に駆け込んできていると話す。ユタカンさんが今年になって質預かりしたものを見せてもらった。 最初に金庫から運ばれてきたのは、使い込まれた白いノートパソコン。バンコクの大学に通っている男子大学生が持ち込んできたという。新型コロナの影響で、両親からの仕送りが途絶え、生活資金に困ったため、大学生はやむをえず勉強用に使っていたパソコンを質屋に預けた。ユタカンさんは最大限の査定をして3000バーツ(日本円で約1万300円)を融資した。 次に見せてもらった品物は、タイでは一般的なデザインの真鍮製の壺や食器など、あわせて3点だ。バンコク市内で土産物店を営む経営者の男性(47)が店の商品を持ち込んできたという。自宅近くの質屋に持ち込むと、様々な噂が広がるリスクがあるため、家から5キロ離れた、この店舗まで運んできた。こうした壺などは通常ならば預かることができないが、ユタカン氏は経営者の男性に2000バーツ(約6800円)を融資する判断を下した。 タイの国営質屋には多種多様なものが持ち込まれる。多くは「金」などの貴金属や時計などだが、生活に困った人が、家で使っている日用品を持ち込んでくるケースも多い。国営の質屋では、持ってきた人の経済状況次第で、支援が必要と判断すればこうした品物でも預かることがある。 このアイロンとバリカンはスラムに住む困窮した住民が持ち込んできた。ほとんど査定価値がないものだが、ユタカン氏は、アイロンで300バーツ、バリカンで200バーツ、計1700円を融資したという。 他の支店では、タイで料理をするのに欠かせない調理器具の「石臼」を預かったケースもある。公営の質屋は、様々な品物を質預かりすることで、低所得者層への融資を行い、セーフティーネットの役割を果たしているのだ。

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(2020/06/24)