ドイツ国家をゆるがした、ベストセラー法廷劇が映画化。(Pen Online)

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イタリア人移民コリーニが、ドイツ経済界の大物を殺した。黙秘を続けるコリーニの国選弁護人となったのは、新米弁護士カスパー・ライネン。口を閉ざすコリーニの動機を調べるうちに、無関係に思えた被害者と加害者の間の驚愕の事実が明るみに。戦後ドイツの闇を暴くリーガルサスペンスだ。ドイツは「負の歴史」と、真摯に向き合ってきたのではなかったのか──。 【映画情報詳細】『コリーニ事件』 『コリーニ事件』は、2011年に出版され50万部を売り上げた、同名の大ベストセラー小説の映画化だ。物語の筋に関わるため詳しくは説明できないが、戦後西ドイツで発布されたある法律の落とし穴が、この小説をきっかけに広く知られるようになり、出版から数カ月後に、ドイツ連邦法務省が調査委員会を設置。まさに、国をゆるがした物語なのである。原作者は元ナチスの高官を祖父にもつ。その後、刑事事件弁護士として活躍していた彼が、実体験を活かして小説を発表し始めたのは、2009年のことだ。経験をもとに描かれていく物語の中で、作家の目は事件に関わる人々の「罪の意識」に向けられている。 映画では、主人公の若手弁護士がトルコ系移民2世という設定に変えられた点に注目したい。原作では、ドイツ社会が目をそらしてきた不都合な真実に、ドイツ人自身が向き合わされた。映画ではアウトサイダーである主人公が、正義への渇望に突き動かされていく。彼が日常の中で出合う差別や偏見がさらりと描かれ、現代ドイツの中にいまも巣食う毒が、垣間見えるのだ。 「弱者としての彼の存在が物語に厚みを加える」とマルコ・クロイツパイントナー監督は言う。法律を遵守することだけを旨とするベテラン弁護士を証人席に座らせ、正義を問う新米弁護士。名優ハイナー・ラウターバッハとエリアス・ムバレクの緊迫の攻防戦は、映画だけの見どころだ。

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(2020/06/23)