人種差別の現実…試される「真実の目」 「ルース・エドガー」(夕刊フジ)

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 【エンタなう】  黒人男性が警官に首を押さえつけられ死亡した事件で全米が揺れている。そうした中、公開されている映画「ルース・エドガー」は、人種差別を扱った作品としては異例のサスペンス仕立て。謎めいた天才高校生の知られざる内面に迫りながら、アメリカの現実に鋭く斬り込んでいる。  主人公は、オバマの再来と一目置かれる17歳の高校生、ルース・エドガー(ケルヴィン・ハリソン・Jr.)。アフリカの戦火を逃れた過酷な生い立ちを持ち、自由の国アメリカへ養子として引き取られた。リベラルな白人の養父母(ナオミ・ワッツとティム・ロス)に育てられ、文武両道に長けたユーモアあふれる人気者。ところが、クラスで提出した課題リポートの中身を巡って同じアフリカ系の女性教師ウィルソン(オクタヴィア・スペンサー)と対立する。  ウィルソンは、エドガーが、アフリカの革命家フランツ・ファノンをリポートで取り上げたことから、過激思想だとレッテルを貼り、さらには、同級生への性的暴行にも関わっているのでは、と疑惑の目を向ける。  果たして、ルースは本当に完璧な優等生なのか。それとも裏の顔を持つ危険人物なのか。級友、教師、両親それぞれの目線で、思いがあふれ出し、観る者の「偏見」と「真実を見る目」が試される。  女性教師役に“闘う女”オクタヴィアを起用したのも意味深長で、世代により人種問題への考え方がこれほど違うのかと、思いを新たにした。(中本裕己)

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(2020/06/23)