おすすめの演歌マンガを教えて! 亡き妻との約束「紅白」出場目指す…業田良家「男の操」(夕刊フジ)

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 【マンガ探偵局がゆく】  新型コロナの緊急事態宣言は解除されたが、まだまだ元の暮らしに戻るのには時間がかかりそう。今回も在宅勤務中の方の依頼だ。  「ステイホームになってテレビを見る時間が増え、BS放送の演歌番組を毎日のように楽しんでます。いいもんですねえ、演歌って。ところで、マンガにも演歌マンガってあるんでしょうか。ジャズやクラシックのマンガはたくさんあるようですが、演歌マンガはあまり見かけません。おすすめの演歌マンガなどあれば教えてください」(58歳・在宅勤務中)  地上波では演歌番組が減ってしまったが、BS放送では歌謡曲や演歌の番組が目白押し。懐かしい名曲から新曲まで、ベテランから若手まで、バラエティーに富んだ歌声を楽しむことができる。探偵長も演歌は大好きだ。  さて、音楽マンガは、クラシックならさそうあきらの「マエストロ」や二ノ宮知子の「のだめカンタービレ」、ジャズなら石塚真一の「BLUE GIANT」や小玉ユキの「坂道のアポロン」、ロックもハロルド作石の「BECK」や上條淳士の「TO-Y」など、いくつもの作品がある。だが、演歌がテーマとなると意外に少ないのだ。  おすすめしたいのは業田良家の「男の操」だ。2003~06年に「ビッグコミック」に連載されて、17年にはNHK・BSプレミアムで連続ドラマにもなった。  主人公は売れない演歌歌手の五木みさお。元アイドル歌手だった妻に先立たれ、一人娘のあわれとともに、妻との約束である紅白出場を目指して地道な営業を続けている。そんな彼を励ますのは生前に妻が残したビデオメッセージ。病床で妻は、みさおとあわれを笑顔で見守ろうとしたのだ。  前半は、弱小プロダクションの売れない歌手のキャンペーンでのあるあるをパロディー化したショートギャグが続くが、後半はアパートの隣人・万田春子がみさおへ抱く秘めた想いを軸に、みさおの歌に賭ける姿を描くシリアスギャグに変わっていく。  妻からの最後のビデオメッセージを見たみさおの歌は一皮むけて、聴く人の心を揺さぶるようになり、ついに…。  ラストまで読むと泣けること請け合い。現代社会では忘れがちだけど、こんな時代だからこそ忘れちゃいけない人と人の絆が伝わって来るマンガだ。滲(し)みるねえ…。  ■中野晴行(なかの・はるゆき) 1954年生まれ。フリーライター。京都精華大学

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(2020/06/23)