イノシシ 新たな活用 堆肥化し農家供給 乾燥炉 5時間で処理 佐賀県武雄市(日本農業新聞)

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 佐賀県武雄市は、有害捕獲した野生イノシシの死骸を乾燥させ、粉末状の堆肥にする取り組みを始めた。全国でも珍しい。1回分の処理は約5時間で済み、従来より早く作れる。今後、堆肥の成分分析を進めて実用性を確かめる。市内では捕獲したイノノシの1割未満しか食肉にできておらず、活用が課題だった。地域資源として農家に供給することを目指す。  同市では、年間2000~3000頭のイノシシが捕獲されている。このうち食肉加工できるものは1割未満と少ない。武雄市では以前から埋却処理はせず、加工できない分や加工後の残渣(ざんさ)を市外の業者に処分委託してきた。業者への委託が難しくなったことで、イノシシなどを食肉加工処理する武雄地域鳥獣加工処理センターと市で相談の上、減容化処理をする乾燥炉の導入を決めた。今年3月に運転を開始した。  乾燥炉の価格は約3000万円で、「中山間地域所得向上支援事業」などを活用し、国、県、市の補助を受けて設置した。燃料は灯油で、1時間に10リットル使用する。炉の中にイノシシをそのまま入れ、70~80度に熱しながら回転、粉砕し、5時間程度で粉末状にする。一度に400キロ前後を処理量の目安とし、臭いは無臭乾燥機で抑える。  処理後の成果物を分析すると、窒素、リン酸、カリを含んでいたことから「野菜などに向く、栄養価の高い肥料になる」(市農林課)と見込む。20年度中に成分の分析や実験を進め、実用化を目指す。年間10~15トン程度の肥料ができると試算。できた肥料は地元農家に活用してもらうことを想定し「鳥獣被害を受ける農家に少しでも還元する」(同)という。

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(2020/06/23)