「学生支援給付金」、朝鮮学校生のみ排除 求められる差別の是正(週刊金曜日)

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 文部科学省は5月19日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で困窮する大学生たちに対する「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』制度創設を発表した。  その趣旨は評価できるが、問題がある。第一に、予算が高等教育機関および日本語学校で学ぶ学生の1割強の43万人分しかなく、不十分である。要件として奨学金受給と結び付けているが(文科省発表「支給対象者の要件」6)、奨学金受給とコロナ禍による困窮とは無関係で、不合理である。  第二に、対象のうち留学生のみ「成績優秀者」との要件が課せられていることは国籍差別である。2008年に「留学生30万人計画」を打ち出し積極的に招き入れたのに、文科省が「いずれ母国に帰る留学生が多い中、日本に将来貢献するような有為な人材に限る要件を定めた」と説明し(20日付の共同通信記事)「国益」優先の利用主義があらわになった。  第三に、日本における大学、大学院相当の高等教育機関のうち朝鮮大学校のみ排除されている。発表時点では対象を大学等のほか専門学校および日本語学校とし、各種学校である朝鮮大学校や各種学校認可を受けていないテンプル大学日本校など外国大学日本校6校も対象外だったが、NGO等から指摘を受けた文科省は外国大学日本校を対象に含める旨変更した。  5月29日、「移住者と連帯するネットワーク」(移住連)、外国人人権法連絡会などNGOは文科省との交渉で5万5000筆超のネット署名を提出、留学生と朝鮮大学校生が直接是正を訴えた。文科省担当者は、朝鮮大学校は「各種学校」であり高等教育機関である担保がないから対象外と述べた。  しかし1998年、京都大学が朝鮮大学校卒業生の受験を認め、合格したことを契機に文科省は99年8月、学校教育法施行規則を改正し大学院入学資格を拡充。その結果、外国大学日本校も入学資格が認められた。2012年には社会福祉士及び介護福祉士法施行規則が改正され「各種学校(大学入学資格を有する者であって、修学年限4年以上のものに限る)を卒業した者」が加わり、朝鮮大学校生も受験できるようになった。同校を日本の高等教育機関として認める法制度がすでにある以上、このような言い訳は通用しない。 【新たな制度的差別の創出】  学生たちが学業を続けられるか否かという人生の岐路にあたり、国籍、民族で差別することは著しい人権侵害である。留学生へ

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(2020/06/23)