MLBは選手ら40人コロナ感染で開幕に暗雲…NBAの対策と何が違ったのか(日刊ゲンダイDIGITAL)
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MLBのレギュラーシーズン開幕に暗雲が垂れ込めてきた。
21日付のUSAトゥデー(電子版)によれば、この1週間足らずで選手、職員含めて40人の新型コロナウイルス感染が確認された。このため選手会が同日に予定していた、大リーグ側が提示したシーズン60試合案への賛否を問う投票が中止された。大谷のエンゼルス、田中のヤンキース、山口のブルージェイズなど、計5球団に感染者が確認されている。
各球団とも、今月末のキャンプインに向けて、本拠地やキャンプ施設を開放したばかり。依然として練習は少人数に限るなど、感染防止策を講じてはいるものの、40人も出たとなると異常事態である。
選手、関係者の総数が違うとはいえ、同じ4大プロスポーツのNBAと比べれば、MLBでの感染爆発は明らかだ。3月に初めて感染者が出たNBAでは即座にシーズンを中断。各チームとも検査を実施した結果、4月中旬までに計11人に陽性反応が出たが、感染拡大には至らなかった。
NBA、MLBとも3月中旬に活動を停止、その後は選手各自による調整に努めてきた。同じプロスポーツでコロナ禍による明暗が分かれたのはどういうわけか。
広いスペースが必要な上、1人での練習に限界がある野球とは異なり、バスケはリングとボールさえあれば狭い場所でのトレーニングも可能。NBAは高給取りが多いため、大半の選手は自宅にコート半分ほどの練習スペースを備えている。多くの選手は自粛中、オンラインでコーチの指導を受け、濃厚接触を回避した。
競技の特性に加え、感染対策への取り組み方にも差があった。NBAは中断後、全30チームに対して詳細な感染防止策を記したマニュアルを配布。選手には原則、自宅待機を命じた上、定期的に健康状態の報告を義務付けた。疑わしい症状が出た場合、各チームの本拠地にある病院では優先的に検査を受けられたそうだ。
対照的にMLBは選手の練習場所の確保を優先して、国内外への移動を容認。健康状態の確認などもチームによってまちまちだった。
NBAはシーズン再開にあたり、位置情報や健康状態を把握できる指輪を選手に装着させ、感染防止を図るという。MLBもこれ以上、感染者を増やしたくなければ選手のプライベートまで監視した方がよさそうだ。