幅広い現金配布時期 買収目的どう立証 河井夫妻事件(産経新聞)

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 昨年7月の参院選広島選挙区をめぐり、地元議員らに多額の現金を配ったとして前法相で衆院議員、河井克行容疑者(57)と、妻で参院議員、案里容疑者(46)が東京地検特捜部に逮捕された公選法違反事件。克行容疑者が特捜部の調べに現金の配布を一部認めつつ、票の取りまとめを依頼する趣旨ではなかったとして、買収を否定していることが判明した。今回の立件対象は参院選の約4カ月前までと幅広く、特捜部が現金の趣旨をどのように立証するかが注目される。 【写真】河井前法相がLINEで指示していた画面  総勢94人に現金が配布された時期について、検察側は逮捕容疑で「昨年3月下旬~8月上旬」としている。公選法に詳しい弁護士は「参院選の前後1、2カ月程度なら選挙目的と立証しやすいだろうが、4カ月も前の3月の現金が含まれたことに驚いた」と話す。  産経新聞の取材でも、昨年3月下旬に現金を受け取ったとする広島県議の男性は「買収だと思った」と証言したが、翌4月7日には男性の立候補した県議選の投開票日が迫っていた。克行容疑者が男性に対する「陣中見舞い」だったと主張する可能性がある。  94人のうち約40人が県議や市議ら地元政治家で、克行容疑者が「当選祝い」「恒例の寄付行為」と主張することも考えられる。だが、現金を配った際に領収書を受け取っていなかったケースが多かったといい、寄付などとして政治資金規正法に基づき適正に処理していないとみられる。  ある検察幹部は「案里容疑者が自民党から公認(昨年3月13日)された後に現金を差し出されれば、誰もが『選挙だ』と思うのではないか。適正に処理するつもりがあるなら領収書を発行させるはずだ」と指摘する。  克行容疑者は後援会関係者らに現金を手渡す際に「ガソリン代」などと選挙目的ではない旨の発言をしたことも確認されており、検察OBの弁護士は「検察は選挙目的を否定する要素を拭い去らないといけない」と注文をつける。  別の検察幹部は「1人2人の立件であれば、個別に事情があると反論する手もあるかもしれないが、100人近くに渡していることをどう弁解するのか。今後の捜査次第だが、94人が増えることはあっても減ることはないのではないか」と立証に自信を見せている。

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(2020/06/22)