秘密の核開発、武器禁輸…イランと欧米の対立が再燃(産経新聞)

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 【カイロ=佐藤貴生】イランが秘密の核開発活動を過去に行っていた疑いが浮上し、イランと欧米の対立が再燃している。2015年のイラン核合意の当事国である英仏独は国際原子力機関(IAEA)への全面協力と査察受け入れをイランに求める決議案を提出、19日のIAEA理事会(35カ国)で採択された。米国は、イランへの武器禁輸を定めた国連安全保障理事会の制裁決議が10月に期限切れとなるため、禁輸継続を目指して根回しを始めた。  採択された決議は、イランが未申告の核開発を行っていた疑いがあるとして、同国が数カ月間、拒否している2施設への査察官立ち入りを認めるよう要求。イランに「深刻な懸念」を表明した。  イラン側は19日、IAEAには「最高度の協力」をしていると主張。同国のザリフ外相は「英仏独はトランプ(米大統領)とネタニヤフ(イスラエル首相)の付属品だ」と批判した。中露は決議案に反対した。  イランは核合意の履行義務を段階的に放棄し、1月には無制限にウラン濃縮を進めると表明。合意の維持を目指す英仏独をいらだたせてきた。イランの低濃縮ウランの貯蔵量は5月には1571・6キロに達し、合意の規定上限である202・8キロ(六フッ化ウラン換算で300キロ)を大幅に超えている。高濃縮のウランは核兵器に転用できる。  イラン核合意は、イランの核開発を制限する見返りに国連制裁を停止したが、武器禁輸は5年後の今年10月まで続けるとした。  このため、トランプ米政権は15日、対イラン武器禁輸の継続を含む新たな決議案を安保理理事国に配布。イランを出入りする貨物を監視する委員会を設置し、違反が疑われる場合は貨物の臨検や押収、資産凍結なども可能とする内容だ。  しかし、拒否権を持つ中露は禁輸延長に反対で採択は極めて困難だ。米政権は国連で新決議案が採択されなければ、核合意に基づく「対イラン国連制裁の再発動」を求める姿勢をみせている。ただ、米国は18年に合意離脱を表明しているため、「米国は(核合意の)メンバーではなく再発動を求める権限はない」(ロシアの国連大使)との声も出ている。10月に向けて米欧や中露の駆け引きが激化しそうだ。  また、イラン国内では新型コロナウイルスの感染拡大で経済の低迷が深刻化しており、国会は5月上旬、通貨単位を1万分の1に切り下げる法案を可決した。  窮乏する暮らしと感

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(2020/06/22)