サウジ皇太子就任から3年 相次ぐ拘束劇に「何も学んでいない」の見方も(産経新聞)

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 【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン王子(34)が王位継承の最有力ポストである皇太子に就任してから、21日で丸3年となった。サルマン国王(84)の実子である皇太子は後継の座を確実にするため、最近も有力王子らを相次いで拘束しており、対象は王室以外にも広がっている。対抗勢力の排除が強化されている可能性がある。  新型コロナウイルスの感染拡大や原油安など、サウジを取り巻く環境はここにきて厳しさを増しており、皇太子がかじを取る石油大国の行く末は政治、経済ともに不安材料が目立ちつつある。  英BBC放送(電子版)などは5月下旬、サウジ内務省の元高官でカナダに住むジャブリ氏の子供2人が、3月からサウジ国内で拘束されていると伝えた。  ジャブリ氏はナエフ前皇太子の右腕として、米英などの情報機関と緊密な関係を築いた。だが、ナエフ前皇太子が2017年に失脚し後任の皇太子に当時のムハンマド王子が就任すると、ジャブリ氏は粛清を恐れてカナダに逃れた。  ジャブリ氏は中東情勢のほかサウジ王室の内部事情にも詳しいとされ、不利な情報が欧米諸国に流れるのを恐れたムハンマド皇太子が同氏の子供を拘束し、帰国するよう脅している可能性がある。  失脚したナエフ前皇太子はサルマン国王のおいで、3月上旬に国王の弟のアハマド王子とともに身柄を拘束された。また、5月上旬にはアブドラ前国王の息子ファイサル王子も拘束されたとの観測が出た。いずれもムハンマド皇太子の権力基盤固めの一環とされる。  サウジ資本の汎アラブ紙アッシャルクルアウサト(電子版)は5月下旬、ムハンマド皇太子の3年間を総括する記事で、「王国の栄光を取り戻す改革」の主役だと絶賛した。  しかし、欧米メディアの見方は厳しい。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は5月上旬の記事で一連の拘束にふれ、「(皇太子は)何も学んでおらず、成長もしていない」という元米政府当局者の談話を掲載した。

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(2020/06/21)