白人女性の嘘が14歳少年のリンチ死を招いた(ナショナル ジオグラフィック日本版)

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 白人女性の嘘で思い起こされるのは、シカゴ出身の黒人少年エメット・ティルのリンチ事件だ。1955年、ミシシッピ州マネーに住むおじの家へ遊びに来ていたティル(14歳)は、白人女性へ口笛を吹いたと訴えられ、拷問を受けたうえ、銃弾を大量に撃ち込まれて殺された。遺体は有刺鉄線でぐるぐる巻きにされ、重さ30キロの綿繰り機をくくり付けられて川へ沈められた。それから数十年後、ティルを訴えた女性は訴えの大半が嘘だったと告白した。  1920年、ミネソタ州ダルースでも同様の事件で、サーカスで働く3人の黒人が殺された。エリアス・クレイトン、エルマー・ジャクソン、アイザック・マギーの3人は、ジョン・ロビンソン・サーカス団に雇われた調理師と労働者だった。  3人がサーカス団と一緒にダルースに到着した日の夜、19歳のアイリーン・タスケンとその友人ジェームス・サリバン(18歳)がサーカスを見にやってきた。ミネソタ歴史協会の記録によると、サーカスが終わってメインテントを出た2人にその後何が起こったのかは定かではないが、6月15日の早朝、ダルースの警察署長ジョン・マーフィーにジェームス・サリバンの父親から電話が入った。父親は、6人の黒人サーカス団員が2人に銃を向けて、アイリーン・タスケンをレイプしたと訴えた。タスケンは医師の診察を受けたが、レイプの証拠は見つからなかった。  警察は6人の黒人を逮捕した。新聞がこれを報じると、その夜1000人とも1万人ともいわれる白人暴徒が警察署に乗り込んだ。警察官は銃を使用しないよう命じられていたため、暴徒らはほとんど抵抗に遭うことがなかったという。警察署から連れ出された3人は、いかさま裁判にかけられ、有罪が宣告された。  3人はそのままリンチを受け、街灯から吊るされた。オーバーコートやスーツを着た白人男たちが薄笑いを浮かべながらその様子を眺めている写真は、絵葉書に印刷された。リンチの写真を絵葉書にして販売するという醜悪な行為は、この事件に限らず、約50年ほど続いた。

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(2020/06/21)