戻ってきた球音 試行錯誤のプロ野球開幕(産経新聞)

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 日本に球音が戻ってきた。約3カ月遅れの開幕で、斉藤惇コミッショナーは「国民を元気づけ、社会に明るさを取り戻す一助となることができれば、これ以上の喜びはない」との談話を発表した。無観客の静かな幕開けとなったが“日常風景”の復活を国民は歓迎した。  開幕に向けて、日本野球機構(NPB)は慎重に協議を重ねた。3月3日、Jリーグと連携して「新型コロナウイルス対策連絡会議」を設置。感染症に詳しい専門家の意見を聞いて同9日には、同20日の開幕延期を決めた。4月24日に再設定した開幕日も延期し、交流戦とオールスター戦を中止。「最後の最後の選択」(斉藤コミッショナー)としていた無観客での開催を決めた。労使交渉が難航し、開幕日が定まっていない米大リーグ機構(MLB)とは違い、球団は試合数削減に伴う選手の年俸削減を実施しないことを約束。日本プロ野球選手会の合意を得た。  開幕の延期は東日本大震災が発生した2011年以来。当時、セ・リーグが予定通りの開幕を主張したことで、世論の猛反発を受けた。今回は開催を後押しする世論が高まるのを待った。ある球団幹部は「ファンはもちろん、(本拠地のある)地元にも(開催を)理解していただかないといけない」とし、自治体へと足を運び、支援を得た。  今後も、ウイルスという「見えない敵」との戦いは続く。課題は選手ら関係者に感染者が出た場合の対応。台湾のプロ野球はチーム関係者に感染者が出た場合、リーグ中断の指針を定めた。一方、NPBは明確な指針は決めず、当日の試合続行の可否の判断は、残りの選手で試合ができるかで決める。それ以降の試合運営の判断は、臨時実行委員会で協議することになっており、迅速な決断が求められる。  政府の基本的対処方針では7月10日以降、屋内外ともに5千人を上限に観客を入れることが可能になる。現在、NPBでは有観客の際の球場運営対応などをまとめたガイドラインを急ピッチで作成している。「ウィズコロナ」の新たなシーズンが始まった。(神田さやか)

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(2020/06/19)