「あえてプレッシャーを受ければ」/あのときの一言(日刊スポーツ)

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<サッカー、あのときの一言~37> サッカー界のキングは、13年ぶりのJ1まで「あと1勝」まで迫った大一番の直前も、冷静だった。19年11月24日のJ2最終節・愛媛戦の直前だった。横浜FCのFW三浦知良(当時52)は、チームのプレッシャーについて問われるとこう答えた。 「プレッシャーがないとおもしろくないじゃないですか。あえてそのプレッシャーを受ければいいんじゃないですかね」。 昇格を決めるまで「J1」という言葉を口にすることはなかった。チームでも「まだ何もつかみ取っていない。終わるまで、昇格の話をするな」と先頭に立って引き締めてきた。ロスタイムにW杯の切符を逃したドーハの悲劇を経験し、サッカーの酸いも甘いも知るカズの言葉の重みは、チームメートにもしっかり響いていた。 3位大宮に勝ち点差2をつけて臨んだ最終節・愛媛戦。カズはベンチ入りし、最後はピッチに立ちJ1昇格の瞬間を味わった。試合後、取材エリアでカズから意外な言葉が飛びだした。 「これだけ経験を積んできて、きっと皆さんは僕は緊張しないと思っているかもしれませんが、今日は試合前から緊張しましたね。不思議と。初めてですね。ベンチに座っていても常に緊張している状態になったのは」。 18年はJ1参入プレーオフで、東京ヴェルディにロスタイムに失点しJ1への望みが絶たれた。最終節も、横浜FCが負けて大宮が勝てば、自動昇格を逃すギリギリの戦いだった。カズは「このチャンスを逃しては絶対にいけないと。去年はああいう負け方をして、3位では何の意味もないと味わいましたし。ここまできて、このチャンスを逃してはいけないところから来ていたんですかね」と初めての緊張の理由を明かした。 ちなみに、緊張するカズの隣で、当時、特別指定選手として先発のピッチに立ったMF松尾佑介はリラックスしていたという。カズが松尾に「緊張しないの?」と聞くと「全然、しないっすね」と軽い答えが返ってきたそうだ。ベンチでは緊張していたカズだが、交代選手としてピッチに立つと、自然と緊張感はなくなっていた。「ピッチに立つと逆に落ち着きますね。落ち着ける場所です」。プレッシャーを受け入れてつかんだ13年ぶりのJ1。7月4日に再開する公式戦で、53歳のカズが躍動する。

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(2020/06/18)