ダークマター直接探索実験に動きあり。東大ら国際グループ「予想していなかった事象を観測」の意味(BUSINESS INSIDER JAPAN)
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今回の発表は、国際グループがイタリアのグランサッソ国立研究所の地下研究所で実施していた「暗黒物質直接探索実験 XENON1T」で得られたデータの分析の結果だ。
この実験は、「キセノン」と呼ばれる化学的に非常に安定な物質の液体と、宇宙の約85%を構成するとされる未知の物質「暗黒物質(ダークマター)」との間で起きるわずかな反応によって生じる光を直接検出することを目的に、2016年から2018年にかけて実施された(実験ではダークマター以外の現象も検出可能)。
この実験で検出できる光はごくわずかだ。
一方、データとして得られるシグナルの中には、さまざまなノイズが入り混じる。そのため、研究グループは、実験データからノイズとなりうるシグナルを徹底的に排除した上で、わずかな反応の有無を精査する必要あった。
今回、実験プログラムの終了を受けて蓄積されたデータを解析したところ、何も起きなかった場合に予想されるシグナルからの「ずれ」が確認された。
これが、冒頭に紹介した「これまで予想していなかった過剰な事象」であり、その原因として、今のところもっとも可能性が高いとされているのが「新しい素粒子『アクシオン』」の存在というわけだ(ただし、今回観測された可能性のあるアクシオンは、ダークマターとは言えない)。