大阪府、院内感染対策強化へ 「なみはや病院」“教訓”に(産経新聞)

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 新型コロナウイルス感染の第2波に備え、大阪府は医療機関の「院内感染」対策を強化する。大阪市内の病院で発生した集団感染の事例を“教訓”とし、医療機関への研修を通じて病棟内の感染区域の明確化や消毒の徹底を図るほか、医師や看護師らを対象としたPCR検査の強化を検討している。  吉村洋文知事は17日の記者会見で「院内感染を防ぐ上で検査は非常に重要な手段になる」と述べた。  医療機関には、重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある人が多く、検査強化で陽性者を早期に把握したい考え。ただ、検査技師の確保や1件約2万円という検査費用の問題もあり、府は近く専門家会議で方向性を議論する。  危機感の背景には「なみはやリハビリテーション病院」(大阪市生野区)の集団感染がある。4月以降、患者や医療従事者ら計133人の感染が確認された。  厚生労働省のクラスター対策班がまとめた調査報告書によると、3階病棟全体が感染エリアとなり、非感染エリアと分ける「ゾーニング」が徹底されていなかった。2階病棟のスタッフステーションでは、陽性患者と陰性患者をみる職員が混在していた。  さらに報告書は、マスクや消毒用アルコールといった資材の不足や、リハビリなどで複数の患者をみる職員の予防策が不十分だったことが、感染拡大の要因になった可能性を指摘した。  大阪市の担当者は「消毒やゾーニングができていなかったことが大きい。当たり前のことを徹底していれば、ここまで広がらなかった可能性がある」と振り返る。府市は院内でのマスク着用や消毒の徹底を呼びかけるほか、感染症の拠点病院と連携した研修も実施し対策を周知する方針だ。  専門家は行政と病院の協力が重要だと指摘する。  愛知県立大の清水宣明教授(感染制御学)は「病院はゾーニングに慣れていない。感染疑いの患者を特定の病院に偏らせないため、振り分けは行政が担当すべきだ。退院者の生活支援を含むフォローアップも行政の守備範囲だ」と話す。  関西医科大の西山利正教授(公衆衛生学)は「病院ごとに感染症対策の知識を持った人材を置いたほうがいい。保健所の管轄範囲ごとに勉強会を開いてはどうか。自治体が研修会を開けば、院内感染が起きた際に助け合う病院のネットワークができる」と述べた。

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(2020/06/17)