日銀・黒田総裁会見6月16日(全文1)新型コロナで景気は極めて厳しい状態(THE PAGE)

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 次に経済・物価動向についてご説明いたします。わが国の景気の現状については、内外における新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状態にあると判断しました。やや詳しく申し上げますと、海外経済は感染症の世界的な大流行の影響により大きく落ち込んだ状態にあります。そうした下で輸出や鉱工業生産は大幅に減少しています。企業収益や業況感は悪化しており、設備投資は増勢の鈍化が明確になっています。感染症の影響が続く中で雇用・所得環境には弱めの動きが見られており、個人消費は飲食、宿泊等のサービスを中心に大幅に減少しています。住宅投資は緩やかに減少しています。この間、公共投資は緩やかに増加しています。金融環境については全体として緩和した状態にありますが、企業の資金繰りが悪化するなど、企業金融面で緩和度合いが低下しています。  先行きのわが国経済は、経済活動が徐々に再開していくとみられますが、当面、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から厳しい状態が続くと考えられます。その後、感染症の影響が収束していけばベントアップ需要の顕在化や挽回生産が予想されることに加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策にも支えられて、わが国経済は改善していくものとみられます。  物価面では生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、原油価格の下落の影響などにより0%程度となっています。予想物価上昇率は弱めの指標が見られています。先行きについては、消費者物価の前年比は当面、感染症や原油価格下落などの影響を受けてマイナスで推移するとみられます。その後は景気が改善していく下でプラスに転じたのち、徐々に上昇率を高めていくと考えられます。  リスク要因としては新型コロナウイルス感染症の帰趨や、それが内外経済に与える影響の大きさといった点について、極めて不確実性が大きいと考えています。さらに、感染症の影響が収束するまで企業や家計の中長期的な成長期待が大きく低下せず、また、金融システムの安定性が維持される下で、金融仲介機能が円滑に発揮されるかについても注意が必要です。  日本銀行は2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続します。マネタリーベースについては生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を

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(2020/06/16)