外出制限もいたちごっこ 「密着文化」のエジプト、止まらぬ感染拡大(産経新聞)

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 エジプトの首都カイロは夜になると人や車の姿が消え、しんと静まり返る。新型コロナウイルス感染阻止のための夜間外出制限は5月末、3カ月目に入った。日の出から日没まで飲食が禁じられるイスラム教のラマダン(断食月)は同月下旬に終わったが、日々の感染者数は期間中に過去最悪を記録、その後も更新されている。人々に話を聞くと、この国ならではの民衆の気質が封じ込めの障害になっているように思える。(カイロ 佐藤貴生) 【地図でみる】「感染ゼロ」から拡大した各国  ■いたちごっこ  ラマダンが中盤に入った5月上旬の土曜日。朝6時すぎに通りに出ると、家族連れらしき人々が乗った何台もの車とすれ違った。土曜日は休日で遅くまで寝ている人が多いのに、なぜなのか。  「外出制限に引っかからないよう、親類や友人の家で一夜を過ごして朝に帰宅する人々だ」。カイロ在住の主婦(30)が言った。政府はラマダン期間中、夜9時から朝6時までの外出を禁じた。が、一部の人は警官らの目につかないよう、夜通し訪問先にとどまっていたようだ。  ラマダン中は親や親類、友人らと家を訪ね合い、旧交を温めるのが慣例だ。期間中に知人の家族らが泊まりに来て、ご飯ばかり作っていた-と話す主婦にも会った。これが感染増の主因になったかは不明だが、いわゆる「3密」を回避するための政府の判断を逆手に取った人が多数に上る可能性をうかがわせる。  ■無理解の怖さ  カイロの市中では多くの人がマスクをしているが、知人と会うとそれを外して頬を寄せ合い、あいさつする人がいる。肩を抱いて素手で握手を交わす風景も見かける。なぜマスクを外したり握手したりするのがまずいのか、その理由を理解していない気がした。  エジプトのコミュニケーションにはスキンシップが欠かせない。古くから中東とアフリカを結ぶ交通の拠点として発展し、開放的で裏表のない国民性が形成されたことも背景にありそうだ。  「無理解」の事例はごく身近なところにもあった。2月下旬、新型コロナ感染が急拡大したイランに出張していたため、エジプトに戻ってからスタッフの出勤を停止し、2週間の自己隔離を行った。そのとき、消毒液やハンドソープ、飲料水やトイレットペーパーを買うよう指示したが、「感染など拡大するわけがない」「値上がりしているから今買うべきでない」という現地スタッフがいた。  エジプト

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(2020/06/14)