アニメ界の鬼才・幾原邦彦「抜擢されたときに “やるぜ!”ってスイッチが入る瞬間が好き」作品で新人を起用する理由(TOKYO FM+)

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幾原:ピングドラムは兄弟3人……昴と荒川(美穂)さんとあと三宅麻理恵が初レギュラーみたいな感じだったから。3人がほぼほぼド素人。で、木村良平くんだけがまぁまぁ慣れている感じで……あれは本当にやばかったね。最初、「やべーな、これ」と思ったもん。 木村:へぇー! それはやっぱり監督のなかで挑戦だったんですか? 幾原:挑戦というか、慣れていないたどたどしさのなかに、何かこうちょっと本物っぽいものがあるというのかな……“演技じゃない本物っぽいもの”があるような気がしちゃうんだよね。で、それがほしいな、と思う瞬間がある。 木村:なるほど……。 幾原:もちろんプロの仕事というのもすごいな、と思うんだけど。まぁ全員が新人だとちょっとなかなかしんどいものがあるかもしれないけど(笑)、周りが上手ければ受けてくれるから、何とかなるかなとは思いますね。あと俺、声だけに限らず、いろんなセクションの新人や、その仕事をやったことがないっていう人が好き。絵を描く人でも脚本を一緒に書く人でも、“やったことない”って人がすごく好き。 ちょっと嫌な言い方をすると、仕事って慣れちゃうと“業界のルーティンワーク”みたいなものがあるじゃない? 「こんな感じでやっておけばいいのね」、みたいな。それですごく回ることもあるんだけど、それがちょっとしんどいなと思うところもあって。だからちょっと新しい何かを入れたいなって、いつも思うんだけど。それでなるべく新しい人に会いたいな、と思っていろんな人に会うんだけど……やっぱり業界じゃない人の話って面白い! 木村:でもアニメを作る上で、アニメ畑ではない人に参加してもらうと、やっぱりルーツが違うから……。 幾原:それはそれで最初、温まってくるまで時間がかかるから、本番に入る前までにダメになっちゃう関係性もよくあるんですよ。 木村:でも、やっぱりそういうことに挑戦をし続けているんですね、監督は。 幾原:まぁ、なんとなくね。あと自分の成功体験がそういうところにあるのかもしれない。「自分が抜擢してもらった」っていう印象がすごく強いね。僕も「美少女戦士セーラームーン」シリーズやっていた頃は、すごい若いときに抜擢してもらったっていう印象が強いので、抜擢されたときにそいつの「やるぜ!」っていうスイッチが入る瞬間が好き、みたいなのはある。 木村:すごく面白いですね。

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(2020/06/14)