自分らしく生きる女性たちにエールを送る『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 原作にはない場面が持つ意味とは?(HARBOR BUSINESS Online)

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 本作はアメリカの女性作家、ルイーザ・メイ・オルコットが著した自伝的小説「若草物語」の実写化だ。これまでも映画や演劇、日本のアニメなどで繰り返し親しまれてきた古典中の古典であり、内容を知らなくても名前だけは聞いたことがあるという方も多いだろう。  その「若草物語」の魅力は枚挙にいとまがないが、既存の価値観に囚われない、“自分らしい”女性の考えや生き方を描いていることの意義は特に大きい。劇中の年代は、南北戦争中に設定されているのだが、当時は女性に参政権が認められておらず、社会進出は難しかった。金銭的な問題ものしかかり、お金持ちの男性と結婚することが至上命題とされることも珍しくはなかった。女性たちは、今よりもはるかに画一的な生き方を強いられていたのだ。  しかし、「若草物語」における四姉妹の次女であるジョーは、そんな時代に迎合しない女性だ。何しろ彼女は活発でボーイッシュな性格であり、将来の夢は小説家。本作でのジョーは「女性の幸せが結婚だけなんて絶対に間違っている」「女性も小説家として生きていくことができる」とも主張している。厳しい世の中にあっても社会的な自立を目指すジョーの姿は、はるか100年以上前の時代だけでなく、現代でも多くの女性を勇気付けるのではないか。  そのジョー以外の姉妹も個性豊かで、女性たちそれぞれが自身を投影することができるだろう。世話好きな性格のメグは愛する人と結婚することを望み、音楽を愛する病弱な三女のベスは恵まれない人々を助けようとし、勝気な四女のエイミーは家族を支えるためにも上流階級の男性と結婚することを目指している。  「女性の幸せの形は結婚だけじゃない」という主張がある一方で、「愛のために結婚すること」や「お金のために結婚すること」も全否定されない。しかも「女性の幸福は結婚にあるか、否か」という二項対立だけにとどまることなく、4姉妹の姿を通じて、当時の(今にも通ずる)抑圧的な男性社会の中で道を切り開こうとする女性たち、それぞれの“その人らしい生き方”を応援する物語にもなっているのだ。    また、グレタ・ガーウィグ監督は本作についてこう語っている。「女性がアーティストとして生きること、そして経済力を持つこと、それをスクリーン上で探求することは、今の自分を含む全ての女性にとって、極めて身近にあるテーマだと感じています」と。ジョーのモデル

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(2020/06/14)