【書評】陽の当たる場所へ:石井妙子著『女帝 小池百合子』(nippon.com)

【リンク先抜粋】
著者は『原節子の真実』で新潮ドキュメント賞を受賞するなど、これまでも女性の評伝を多く書いているノンフィクション作家である。 膨大な資料にあたり、丹念に取材を重ね、人に会う。そして、時間の中に埋もれていた真実に光を当ててきた。 本書のように優れたノンフィクションを読むと、作家マーク・トウェインの“Truth is stranger than fiction”という言葉を思い出す。 小池百合子を描くなかで著者が強くこだわったのが、“小池百合子”を表舞台に立たせた輝かしい学歴だ。 エジプト最難関のカイロ大学を、留年せずに4年間で卒業した初の日本人。しかも首席で――。 「学生数は十万人、エジプト人でも四人にひとりは留年するという大学で、そんなことがあり得るのだろうか。私にはとても信じられなかった」 著者はそう述べ、小池自身が語ってきた言葉や周囲の証言、彼女が話すアラビア語のレベルなどから、多くの矛盾を指摘する。 そんな折、ひとつのニュースが飛び込んできた。 カイロ大学が「小池百合子氏が1976年10月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する」と、大使館を通じてフェイスブック上で声明を出したのだ。 本書が話題になっている、このタイミングで。 真偽は、読者の判断に委ねるしかない。

続きはこちら

(2020/06/12)