南米・アフリカでの感染拡大懸念 WHO「季節の影響は不明」(産経新聞)

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 【ロンドン=板東和正、ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの世界的な感染拡大がとまらない。累計の感染者は700万人、死者は40万人を超え、最近は1日当たりの新規感染者が過去最多も記録した。ブラジルやインドなど新興国でも増加が目立つ一方、感染拡大のピークを越えたとされ、経済活動の再開に動く欧米では「第2波」への警戒を怠れない状況が続いている。  「どの国もまだ手綱を緩めるときではない」。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8日の記者会見でこう語り、強い危機感を示した。1日当たりの世界の新規感染者が7日、過去最多となる13万6千人超に上ったためだ。  新型コロナの感染事例が中国で最初に確認されてから半年近く。感染者は累計で4月初めに100万人に到達するまで約3カ月を要したが、検査態勢拡充もあり、その後は12~13日で100万人ずつ増加。500万人を超えて以降は9日で100万人増とペースが拡大した。40万人を超える死者は三大感染症の一つであるマラリアに匹敵する被害だ。  欧米の状況が落ち着き、累積感染者数の上位を占める国々も4月初めとは異なりつつある。ブラジルやロシア、インドなどが上位に入り、3カ国に南アフリカ、中国を加えた新興5カ国(BRICS)が世界全体の感染者数に占める割合は当時の約1割から2割を超えた。  現在、特に感染拡大が懸念されるのはブラジルだ。同国では5月以降、大都市の貧困街を中心に感染が爆発し、5月1日時点で約9万人だった感染者は1カ月余りで77万人に激増した。経済重視で「ただの風邪」とコロナを軽視するボルソナロ大統領の下、全国的に統一された感染抑止策が取れないまま、増加傾向が止まる気配はない。  こうした新興国は欧米が経済活動を再開させるのを追いかけるように、外出や営業の制限の緩和にも乗り出した。感染者が27万人超のインドは国内の鉄道の運行などを再開し、ロシアや南アフリカもこれまでに制限措置の緩和を始めた。経済への影響を最小限にしたい考えとみられるが、一段の感染拡大への懸念は拭えない。  WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は10日、ブラジルのほかにチリ、ペルーなどの南米諸国、アフリカの中央部や南部の感染拡大にも懸念を表明した。特にアフリカの一部地域で医療機器が慢性的に不足していることも課題に挙げた。ただ、今後、冬を迎える

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(2020/06/11)