イチロー日米2000安打達成/2004・5・21(日刊スポーツ)
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<マリナーズ0-5タイガース>◇2004年5月21日(日本時間同22日)◇セーフコフィールド【写真】01年4月、米初安打を放つマリナーズのイチロー16年前の2004年5月21日、マリナーズ・イチロー外野手が日米通算2000安打を達成した。日本での9シーズンで1278安打。メジャーに舞台を移して4シーズン目にして大台に到達した。その後も安打を積み重ね日米通算安打は4367本(米国では3089本)。不滅の記録を残して昨春、現役を引退した。
【復刻記事】
マリナーズ・イチロー外野手(30)が、日米通算2000安打の偉業を達成した。あと2本で迎えたタイガース戦で第2打席に中前打、続く第3打席に左腕ロバートソンから中前へはじき返し到達した。オリックスでの1軍定着から実質11シーズンというスピード到達。第4打席でも2試合連続3安打となる右前打を放ち、打率を3割3分2厘まで上昇させた。ドラフト4位でプロ入りした天才打者は、心身ともに円熟の域に達した。
その瞬間、ほんの少しだけ、はにかんだ。米国ファンには認知されていなかったであろう節目の一打。3万9102人の地元ファンの思わぬスタンディングオベーションが、最高のご褒美だった。そのわずかな時間だけは、4点のビハインドも忘れることを許された。
第2打席で「王手」をかけて迎えた5回1死。数々の剛球をはじき返してきたイチローのバットは、左腕ロバートソンの146キロ真ん中低め速球を見逃さなかった。あまりにも鮮やかで、あまりにも軽やかな一打。電光掲示板に映る「2000」の数字を背に、一塁ベース上のイチローは、ヘルメットを頭上に掲げて返礼した。
「うれしいという言葉は当たり前過ぎて使いたくないですが、そういう気持ちです。ファンの人たちが喜んでくれて、そのことに感激しました。日本での記録について、…という部分もありましたから」。
1994年。日本球界初の年間200安打を達成し、その後は「天才打者」「安打製造機」と呼ばれ続けてきた。2001年。メジャー1年目で首位打者、MVPなど数々のタイトルを獲得し、その名声はさらに高まった。卓越した打撃技術と強じんな精神力に、異を唱える者はいない。だが、今現在、イチローが残した実績は、決して天賦の才だけによるものではない。
プロ入り後、「鈴木一朗」が「イチロー」として脚光を浴びるようになった。だ