イチロー氏快挙の裏側でモリーナの優しさに救われた(日刊スポーツ)

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<We love Baseball> 全国で球音と歓声が響くはずの黄金週間。選手もファンも、今年は球場に足を運ぶことすら許されない状況が続いている。心ひとつに乗り切れば、野球のある日常は必ず戻る。角度を変えて切り取りながら、その力を再確認してみた。【写真】マー君 イチロー、チャプマンの真似大ウケ       ◇   ◇   ◇ 日本メディアの記者として米国でMLBの取材をしていると、日本で取材するのとはまた違った、気を使う部分がある。 当然、あらゆる取材の中心が日本や日本選手がらみのものになる。例えば米国人選手に話を聞くにしても、特定の日本人選手について質問しなければならない時がある。そんなことを聞くような空気ではないときでも、聞かなければならないときもある。 マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(46)が、マーリンズでプレーした16年に日米通算でピート・ローズ氏の歴代最多4256安打記録を抜いたときのことだったと思う。日米通算とはいえ偉大な記録だ。遠征の行く先々でイチロー氏とゆかりのある監督やコーチ、選手らから、祝福のコメントや、イチロー氏との秘話などを聞いて回っていた。マーリンズが遠征先セントルイスでカージナルスとの3連戦を行ったときは、ヤディエル・モリーナ捕手(37)に話を聞きに行った。モリーナ自身、将来は殿堂入り確実の偉大な選手であり、互いに高いレベルで戦い続けてきた者同士、イチロー氏について何かを語ってもらいたかった。 しかし、その日は確かカ軍が試合に負け、クラブハウスは沈んだムードで静まり返っていた。とても、試合とはまるで関係のないことを聞くような雰囲気ではなかったと思う。筆者も含めて数人の日本人記者がモリーナを待っていたが、英語を話せるのは筆者くらいしかおらず、自分が聞くしかなかった。 どうしよう、聞きづらい…そう思ってモジモジしていると、モリーナの方が気付いてくれ、進んで話をしてくれた。大げさではなく、涙が出るほど感激した。これまで聞きづらい質問をして、数え切れないほど気まずい思いをしてきたのでなおさらだった。選手の優しさに救われて、記事を届けることができるケースは多い。【水次祥子】

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(2020/04/26)