安部トシ子さんの花嫁相談室「コロナ禍のなかの花嫁たち」(25ansウエディング)

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 みなさんの不安な気持ち、とてもよくわかります。事情はそれぞれ、ケースバイケースですが、いくつかの例を挙げてお話しさせてください。   5月の挙式予定で、あと1回、打ち合わせが残っている状態で、秋に延期を決められたお客さまがいました。延期の手続きがひと通り終わったところで、花嫁さんに「もうちょっとお付き合いが長くできることが嬉しいです」とお話しをしたところ、「私もまた会えると思うと嬉しいです」と言ってくださいました。「秋に向けて頑張りましょうね」という会話を通して、こちらも明るい気持ちになりました。  延期ではなく、キャンセルされた方もいらっしゃいます。その方は「親がどうしてもと言うのでキャンセルすることにしました。揉めたくはないので」と言いながら、心のなかでは踏ん切りがつかないご様子でした。そして「こちらの会場で挙式することをあきらめたくはないのです。打ち合わせの書類を、まだ持っていてもいいですか?」と。その方にはいつご連絡をいただいてもいいように、準備をしています。  全体的に前向きな方が多い印象ですが、なかには「やはりどうしても難しいから、とにかくキャンセルをしたい」とおっしゃる方もいます。気持ちも落ち込んでしまっているし、先が考えられないから、とにかく白紙に戻したいと言うのです。「辛い」という気持ちに押しつぶされて、結婚式だけではなく、結婚自体をやめてしまわないかと心配になりました。   不安なのは恋人同士だけではありません。自粛が続き、ご主人がいつも家にいることで「収入が減った上に家事はすべて私」などとストレスが溜まり、コロナ禍が原因で離婚するご夫婦もいると聞きます。けれど、これで離婚するカップルは、今後も困難を乗り越えられないでしょう。辛いときに落ち込むのは当たり前のことです。でも、ここで前向きに「プランナーさんとまた会えるのが楽しみ」、「新たな結婚式の日にむけて、夢を叶えるために頑張る」と言える花嫁さんのほうが、この先の人生はきっと豊かになります。そして、そんな気構えのある方は、何があっても簡単に離婚などしない気もしています。

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(2020/04/25)