審判までロボット判定 コロナで収入激減MLBが導入急ピッチ(日刊ゲンダイDIGITAL)
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無観客どころか、審判不在の状況になるかもしれない。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、レギュラーシーズン開幕を延期したメジャーでは、球場からアンパイアを締め出そうとしているのだ。
MLB(大リーグ機構)は今季からマイナーで「ロボット審判システム」(ABS)の試験導入を予定していた。これは球場内のピッチ・トラッキング・システムといわれる球速や打球を電子的に測定する装置を使って、ストライク、ボールを判定するものだ。今季、マイナーで判定の精度を確かめ、早ければ2023年以降にもメジャーでの導入を目指している。
ロボット審判の精度が向上して判定のトラブルが減れば、各球場に1人配置される責任審判への監督からの抗議はほとんどなくなり、濃厚接触も避けられる。何よりもメジャーが目指す試合時間の短縮にもなる。
■審判リストラで50億円の削減
もっとも、メジャーの狙いはそれだけではない。今後、悪化が懸念される財務体質の改善が最たる目的だ。
米経済紙フォーブス(電子版)によれば、今季は各チームとも100試合程度を消化できれば大部分の収入を得られるものの、中止になれば、入場料収入、広告費だけでも損失は100億円近くに達するという。MLBも含めて今季は大幅な収入減を余儀なくされる球団は少なくないとみられている。
すでにMLBでは、各球団の負担を軽減するため、傘下のマイナーリーグを削減する方針を打ち出している。マイナー160チームのうち、42チームを解散させれば、数千人規模の人員削減になるといわれる。さらにMLBでは、ロボット審判の導入で、アンパイアもリストラ対象に加えようというのだ。
メジャーの審判は約100人。平均年俸は約5000万円といわれ、審判をリストラすれば、単純計算で人件費だけでも50億円近い削減になる。
メジャーの球場でアンパイアのコールが響かなくなるのも時間の問題か。