MLBサイン盗み疑惑捜査終了…田中将大の“死球制裁”あるか(日刊ゲンダイDIGITAL)
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【メジャーリーグ通信】
大リーグでもコロナ関連の話題で埋め尽くされる中、MLBから重要な発表があった。
レッドソックスによる2018年シーズンのサイン盗み疑惑に関する調査が終了。結果はMLBが活動を再開した後、発表されるというのだ。マンフレッド・コミッショナーはサイン盗み騒動をこれ以上拡大させたくない意向なので、シロと判定される可能性が高い。仮に、レ軍に有利なものになった場合は、被害を受けた選手や地元ファンによる球団に対する「損害賠償訴訟」と、相手チームの投手による「死球制裁」が頻発するだろう。
なぜなら、アストロズのサイン盗みスキャンダルでは、この2つが立て続けに発生しているからだ。
ア軍に対する損害賠償訴訟はすでに2件起きている。ひとつは元ロッテのマイク・ボルシンガーが起こしたもの。
訴訟の内容は「自分はアストロズがサイン盗みをした試合で大量失点したため、それがもとでメジャー失格の烙印を押された。それがなければメジャーでのキャリアを継続し、3100万ドル(34億円)稼いでいたはずなので、自分の指定するチャリティーに支払え」というもの。チャリティーに指定したのは、不正の代償を社会正義のために吐き出させるのが目的だ。
もうひとつはアストロズの年間席購入者が「サイン盗みは忠実なファンに対する裏切り行為」として、球団に100万ドルの支払いを求めたものだ。アストロズの地元ヒューストンは温厚な土地柄なので、ファンからの訴訟は今のところこの1件だけだが、レッドソックスの地元ボストンは口うるさいファンが多い。MLBがレ軍のサイン盗みを安易にシロと裁定した場合、強い反発を招き、シーズン席の代金の払い戻しや慰謝料を求める訴訟が多発する可能性がある。
相手チームの投手による「死球制裁」もアストロズを上回るスケールで行われるとみられている。今年のオープン戦ではブレグマン、アルトゥーベらアストロズの主力打者たちが頻繁に「死球制裁」を受け話題になった。レ軍にはヤンキース、レイズという感情的に火花を散らすライバルがいるため「死球制裁」はより過激なものになるだろう。サイン盗みの最大の被害者はヤンキースの田中将大である。ヤ軍ファンは田中の「死球制裁」を期待している。
(スポーツライター・友成那智)