開幕延期のMLBは100試合前後できれば御の字か…スカウト活動停止で6月のアマドラフトに影響も[大慈彌功コラム](中日スポーツ)
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メジャーリーグ機構(MLB)は16日に、当初の26日から最低2週間は遅れるとしていた開幕をさらに延期すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、疾病対策センター(CDC)が8週間は50人以上が集まるイベントの延期を要請し、米政府も10人以上の集まりは避けるべきだとの見解を示したためだ。【写真】試合が始まるまではノンビリと CDCは、対策を怠れば全米で最悪170万人の命が奪われるとの見方も示した。MLBは当然の対処を取ったと思う。開幕は5月末以降まで遅れ、シーズン162試合の実施は不可能とみるのが現実的だ。
財政面でも大きな打撃を受けるのは間違いない。2019年のメジャーリーグ全体の総収入は107億ドル、日本円にして1兆円超という規模。年俸総額47億ドルは総収入の44%にあたるのだが、プロスポーツで50%なら超優良企業だ。その収入の激減が目に見えている。
球団側は可能な限り多くの試合を開催したいとの意向を示している。しかし、私の得た情報の中では100試合前後できれば御の字だろう。
年俸の支払いについて、MLBは素案の作成に早急に取り掛かり、素案が出来次第、選手会との下交渉を始めるだろう。本格的な交渉は、開幕日が決まり、試合数が判明した以後の動きになる。
ちなみに選手会のストライキで開幕が遅れた1995年は144試合となり、選手の給料が11・1%落ち込んだというデータもある。今年も試合数に応じて換算するだろうが、過去に例を見ない事態だけに交渉の難航は避けられない。労使間でどのような妥協点が見いだせるかである。
現場の対応は日々刻々と変わっている。MLBは選手に対して自宅へ戻るか、キャンプ地残留か、本拠地で調整するかの3択を委ねている。ヤンキースは多数決で全選手キャンプ地残留を決めた。その後、マイナー2選手の陽性反応が判明。これからは選手個々に任せる方針である。17日はメジャー枠40人中24人が合同練習に参加した。
ブーン監督のほか、家族との時間を持つため一時帰宅をしている選手たちもいる。ほとんどの選手は、帰宅したとしても練習できる環境は限られており、一度帰宅しても三々五々キャンプ地に戻ってくるだろう。
米国では多くの就学生徒がオンラインで授業が受けられるようになるため、キャンプ地で父親と生活を共にすることもできる。また多くの球