【林昌範の目】MLBの“ワンポイント”廃止は「少し寂しい」 変則投手は死活問題(Full-Count)

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 林昌範です。2月の春季キャンプが近づいてきましたね。今年は日本のプロ野球だけでなく、山口俊投手、筒香嘉智選手、秋山翔吾選手が新たにメジャーリーグに挑戦するので楽しみにされている方が多いと思います。【写真】あなたの目にはどちらに見える?…米国で右腕にも左腕にも見える投手の壁画が話題に そのメジャーリーグですが、今年から試合時間の短縮のため、投手の「ワンポイント起用」を禁止する新ルールが導入されることになりました。投手には3人の打者との対戦か、イニング終了までの登板が義務付けられることになります。この決定は野球の戦略がガラッと変わると共に、投手にとっては死活問題になるほど大きなルール改正だと思います。  日本のプロ野球を見ている方はご存知だと思いますが、各球団とも1人(特に左投手)は変則投手をブルペンに入れ、勝負所で起用していました。この「ワンポイント」で投げる選手は非常に貴重な存在です。僕自身もワンポイントを経験した時期がありますが、非常に難しいポジションでした。周囲の人から「1人でいいから楽だよね」と言われたことがありました。確かに見ている人からすれば、「打者1人で交代なら疲れなさそう」、「もう仕事終わりか」など楽に感じるかもしれませんが、実は想像以上に過酷な役割なのです。  僕が現役でワンポイントを経験した時は、「この打者が塁に出て代打が出てきたら出番だから」など細かな設定がありました。1人の打者を打ち取ることに全精力を注ぎ、頭の中にしっかりデータを入れてイメージをしておかないといけません。ブルペンで試合を映すモニターを見ながら準備しますが、時には相手の作戦が変わったり、こちらのリリーフ事情で登板のタイミングが想定より早まったり、遅くなることも少なくありませんでした。ブルペン内で何回も肩を作り、電話が鳴るたびに気持ちを高めなければなりません。  人間ですから気持ちのオン、オフをコントロールするのは非常に難しいことです。心身共に万全の状態でマウンドに上がる機会は限られていました。「たかがワンアウト」と思われるかもしれませんが、その1回の登板、数球の登板で失敗すればポジションを失う危機が待ち受けています。ワンポイントは非常にハードな役割なのです。  ワンポイント廃止は試合時間の短縮につながると思いますが、采配面での巧妙な駆け引きや戦術的な観点で考えると少し

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(2020/01/31)