あのイチローですら資格回復の研修会に参加。プロ・アマ規定は、日本野球の発展につながるのか?(VICTORY)
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12月13日に開催されたプロ経験者が高校生、大学生を指導するために必要な学生野球資格を回復する研修会。そこには今年3月に引退したあのイチローの姿があった。野球界における大功労者であるイチローですら、研修会を受けなければアマチュアに指導できないのが現状のルール。横浜DeNAベイスターズ初代球団社長であり、スポーツビジネス改革実践家の池田純氏が、現在のいびつなプロ・アマ規定を時代にあわせて見直すべきだと語る。
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野球について、イチローに何かを教えることができる人間が、世界中にどのくらいいるのだろうか? 大きな会場の端っこで真面目に野球の“授業”を受ける姿には多くの人が違和感をもったことだろう。
「まるで英検とかTOEICの試験を受けているみたいで、私も映像を見て正直驚きました。野球界を離れた私ですら、何かが大きく間違っている、と深く考えさせられました。日本どころか、世界の野球界のスーパースターであるイチローさんもこんな研修を受けなければならない。その仕組自体がもはや疑問に感じられてなりません」
日本学生野球憲章はプロ野球経験者の関与を原則的に禁じていて、学生野球指導には資格回復手続きとプロ球団の退団が条件。資格回復手続きには、プロ・アマそれぞれが行う研修と適性検査を受けなければならない。現在、マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクターという肩書を持つイチローに関しては、本来退団しなければならないという条件を緩和し、特例として資格回復を認める方向だという。もともと選手の引き抜きに関するトラブルから“壁”が生まれたアマチュア野球界とプロ野球界。現役のプロ野球関係者は、手続きを経なければアマチュア野球の選手に指導どころか接触すらできないことになっている。
「日本のプロとアマは過去の時代のきっかけを元に、分断されてきた歴史がそのままになっている。たとえば、プロ野球選手の親は息子が高校野球をやっていたら、親子でキャッチボールすらできない。おかしいですし、悲しく感じます。私がベイスターズの社長をやめたあとに、横浜高校の渡辺元智・元監督と対談しようとしたときも『プロ・アマ規定を考慮すべきか』という話が内部でもでたくらい。ふたりともすでに現場を離れていてもそんなことを気にしなくてはならない。もともと日本では大学野球とか高校野球が盛んで、プロ野球のほうがあとから