安部裕葵、周りを生かす頭脳が武器/輝く男たち(日刊スポーツ)
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<TOKYO2020へ輝く男たち(7)>
MF安部裕葵(20=鹿島アントラーズ)の最大の武器は頭脳。無名だった高校時代から、その頭を働かせて1歩ずつ成長を重ねてきた。【写真】チリ戦の前日練習でストレッチする安部16年7月29日、鹿島スカウト部長の椎本氏は、高校総体の視察に訪れていた。この日のカードは瀬戸内対滝川第二。瀬戸内が4-0と大勝した試合で、当時高3の安部は1ゴール3アシストと奮起した。
周囲が安部の美しいループシュートを褒める中、椎本氏が目を付けたのはアシスト場面。自分で打っても入るであろうシュートを選ばず、ギリギリで判断を変えて味方にパスを出す-。「よりゴールに近い選択」をする安部に驚いたという。「止めて蹴る、は当たり前。コイツ、こんなこともできるんだ、と思った」。
一見頑固に見えるが、聞く耳は人一倍持っている。恩師である瀬戸内高の安藤監督(現校長)は「頭が柔軟なタイプ」と評する。安部が高2の夏、ドリブルが好きでボールを離さない姿に「周りを使え。賢くなれや」とアドバイスを送った。素直に言葉を受け取った安部は同年の全国高校選手権広島県予選で初めて先発の座を射止めて、プロへの急階段を駆け上がった。
瞬時の判断力と、人の意見を取り入れる柔軟性。その頭の良さは、南米の選手相手にも必ずや武器になるはずだ。【杉山理紗】(おわり)
◆安部裕葵(あべ・ひろき)1999年(平11)1月28日生まれ、東京都出身。兄の影響で4歳ごろサッカーを始め、城北アスカFC、本田圭佑のプロデュースするS.T.FCを経て、瀬戸内高へ単身サッカー留学。高3夏の総体で鹿島に見いだされプロ入り。今季から背番号10。171センチ、65キロ、血液型O。利き足は右。