広島安部1号V弾「ポスト丸」期待も8番に危機感(日刊スポーツ)
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<広島5-0巨人>◇29日◇マツダスタジアム
危機感弾!! 広島安部友裕内野手(29)が巨人との開幕戦で巨人のエース菅野から先制1号となる決勝弾を右翼席に突き刺した。打線で「ポスト丸」と期待されるも、今季は8番からのスタートとなった。一昨年の覇気から今季は危機感を胸に、ここからはい上がっていくつもりだ。【写真】お立ち台でポーズをとる大瀬良大地と安部友裕 ◇ ◇ ◇
振り抜いたバットがわずかに見えた大投手の突破口を開いた。3回。先頭の安部はカウント1-1から巨人菅野の浮いたカットボールに反応した。上からたたくように振り抜いた弾道は広島の夜空に舞い上がり、真っ赤に揺れる右翼スタンドに吸い込まれた。巨人菅野から先制点を奪うとともに、広島打線を勢いづけ、先発大瀬良を勇気づけた。
「打っていく球と捨てる球を整理して入った。いい投手なので、数少ない、甘い球を仕留められた」
2年前は「覇気」を連呼し、リーグ4位の打率をマーク。だが、昨年は大不振を極めた。参加予定のなかった昨秋キャンプに参加志願し、オフのイベントは球団に頭を下げて極力断った。今年1月の沖縄での自主トレも、報道陣からの公開要望を拒否。昨季終了時から不言実行を貫いてきた。今季開幕は「危機」を胸に迎えた。
ユニホームが代わった丸への思いもあった。移籍時には「そりゃあ僕だって寂しい。言いたいこともある…」。同期入団で同学年。苦楽をともにした球友への言葉をのみこみ「もう巨人の選手ですから。丸に成長した姿を見せたいですね」とキッパリ言った。打線では「ポスト丸」とも期待されるバットマンが、再会初戦で成長を示した。
迎えた開幕戦の打順は野手では最下位の8番だった。「自分が招いた結果、内容。8番でしたが、また練習していいものを出せれば、いい打順で打てると思う」。すべてはグラウンドで答えを出すだけだ。
緒方監督は「本人もこれで乗っていけるでしょう」と期待する。それでも本人は表情を引き締める。「うかうかしていると足をすくわれる。どの選手もそう思っていると思う。しっかり明日からもやっていきたい」まだ開幕戦が終わったばかり。本人の危機感は薄れていない。【前原淳】